「EVE burst error R」レビュー
本作は、1995年にパソコン向けに発売された「EVE burst error」のリマスター版。
昔オリジナル版をプレイしたことがあるような無いような・・・記憶が定かではないのですが、いずれにしてもまったく覚えていないので問題なし!新鮮な気持ちでプレイしました!
※PS4版「EVE burst terror」に収録されている「EVE burst error R」をプレイ。
主人公はふたり。
私立探偵の天城小次郎と・・・
凄腕捜査官の法条まりな。
システムは、オーソドックスなコマンド選択式ADV。
コマンド数は少ないし、ヒント機能もあるのでサクサクとゲームを進めることができます。
本ゲーム最大の特徴は、何と言ってもマルチサイトシステム!
これは「小次郎」と「まりな」を、任意のタイミングで切り替えながらゲームを進めるシステムで、両者の視点からストーリーを多面的に把握することができるという優れモノです。
「小次郎」と「まりな」は、最初は別々の事件を追っているのですが、次第に接点が生まれ、最終的には一つの大きな事件へと発展していく・・・というマルチサイトシステムを最大限活かしたシナリオになっています。
マルチサイトシステムは、1994年発売の「DESIRE(デザイア)」でも採用されていましたが、このときはまだ単純に別視点でストーリーを見るというものでした。
ところが本作では、どちらか一方をプレイしているだけでは行き詰まってしまい、互いの物語に干渉しあって進めていく必要があります。わずか1年で、よりゲームらしく発展しましたね。
余談ですが、このシステムがさらに発展して、翌年には名作「YU-NO」に繋がっていくのですよね(超進化してADAMSに)。いやぁ、この頃のアドベンチャーゲームは熱かった!
閑話休題。
本作にはヒント機能がついており、次どこに行けばよいか教えてくれます。サクサクとゲームが進む反面、ゲーム性は薄く、紙芝居を見ているのに近くなります。
ヒント機能はON/OFFできるので、使わないこともできるのですが、昔のゲームらしく面倒なフラグ立てがありテンポが悪いところがあるので、ヒント機能ONがお勧めです。
ただ紙芝居状態でも、シナリオのボリュームはかなりあるし、二転三転するストーリーは25年以上経った今でもまったく色褪せておらず、ついつい引き込まれていきます。
エッチなシーンや残酷なシーンもあって万人向けとは言いづらい作品ですが、当時の熱量を感じさせられるこの作品を、令和の今プレイできるのは最高の体験でした。
最近いまひとつ元気のないアドベンチャーゲームですが、こうしたエネルギー溢れる作品が、現在にも受け継がれているのは素晴らしいですね。
「小次郎」と「まりな」は、シリーズ最新作である「EVE burst terror」にも登場するようなので、こちらも近いうちプレイしてみたいと思います!
<良いところ>
- 令和の今プレイしても引き込まれるストーリー
- マルチサイトシステム
- ヒント機能でサクサク進む
- 声優が豪華
<悪いところ>
- ゲーム性の低さ
- 古臭く感じるところも
評価:★★★★★★★★(8点)